Story
その病院は、
おかしなところが何もなかった。
入っていった者より、
出て来た者の数が少ない?
病院は人生の終着駅になることもある。
患者の死に抗う、誠実な院長がいた。
あらゆる治療を施し、
命を守るためには手段を選ばなかった。
必ず助ける。
仮に肉体が温もりを失ったとしても、
彼は決してあきらめなかった。
まだ、救う方法があるはずだ。
彼女が目を覚ますための、方法が。
このように、この病院には、
おかしなところは何もない。
さあ、安心して、ご来院を。